医師からの臨終が宣告され、死亡が確認されたあと、葬儀のご準備にかかります。 大抵の方は、 悲しみで気落ちするなか、通夜や葬儀の手配まではなかなか気がまわらないものです。通夜・葬儀は、ご自宅、ご寺様や会館で執り行うにしても、葬儀会社に運営を依頼される方が多くなっています。
喪主を決め、お手伝いの方やいわゆる世話役を依頼し、その中から信頼でき経験ゆたかな世話役代表と相談しながら進めていくとよいでしょう。ここでは、仏式を例に臨終から葬儀の流れをご紹介します。
南島原市の葬儀場「ありま斎場」では、ご遺体の搬送から葬儀全般について、できる限りのご相談を承ります。
臨終から通夜・葬儀の流れとチェックポイント
寺院や地域により異なりますが、南島原市ありま斎場近辺の習慣に即した流れです。
記号について
- … 家族で相談・決定
- … 葬儀場・葬儀社に相談・依頼
- … ご寺院様に相談・依頼
- … その他
ご臨終
- 末期の水をとる
- 医師に死亡診断書を書いてもらう
- 寺院、神社、教会などへの連絡・日程などの相談、枕経の依頼
- 葬儀方針の決定
- 葬儀社の決定・相談
- 喪主の決定、世話役代表への依頼
- 病院からの遺体搬送手配
- 病院への支払
通夜・葬儀の打ち合わせ
- 戒名(法名)の依頼
- 死亡届の提出
- 現金の用意
- 通夜・葬儀の日程、場所、
規模、予算などの決定
- 葬儀費用の見積をとる
- 死体火葬許可証の交付手続き
- 遺影用写真の手配
- 枕飾りの手配
戒名(法名)の依頼
仏教では、亡くなると人は仏の弟子になるとされ「仏名」をつけます。宗派によって呼び名が違い、浄土真宗では「法名」、天台宗、真言宗、曹洞宗などでは「戒名(かいみょう)」、日蓮宗では「法号」と呼びます。
菩提寺が遠方にあり葬儀は別の寺院に依頼する場合でも、仏名は菩提寺に依頼します。お礼は「お布施」とします。
死亡届
死亡届けは、①死亡した人の本籍地、②届け人の現住所、③死亡した場所のいずれかの市町村役所の戸籍係に提出します。
提出は、葬儀社など代行者でもよいですが、届け人と代行者の印鑑が必要です。
死亡届を提出すると受け取れる「埋葬許可証」は、納骨する時などに必要となるので、失くさないように保管しておきましょう。
通夜・葬儀の詳細決定
葬儀社に葬儀の方針を伝え、アドバイスを受けながら葬儀の詳細を決定していきます。
遺影用写真
写真は故人が気にいっていたものの中から、人柄が偲ばれるものを選ぶとよいでしょう。
通知
- 親族、友人、知人、仕事関係者などに死亡、通夜・葬儀日程の通知
(電話・FAX) - 隣近所、町内会への挨拶
- 新聞お悔やみ欄への広報
通夜の準備
- 喪服の準備
- 通夜の席次・焼香順の確認
- 通夜の礼状・返礼品(粗供養品)の手配
- 通夜ふるまいの準備
- 僧侶接待の準備
- 各世話役との打合せ
- 納棺(死装束)
- ご家族・親族の供花・供物手配
- 弔問客の受付・接待の準備
- 供花・供物・弔電の整理
- 供花・供物の並べ方チェック
- 会葬礼状と返礼品の手配
ご遺体は、頭を北、足を南に向けて寝かせて安置します(北枕)。間取りの都合で、北枕にできないときは西枕にするか仏壇に頭を向ける方向で安置します。
死装束(しにしょうぞく)は、葬儀社が用意した布または紙製の経帷子を懸けることが多いですが、死装束の上から故人が愛用していた服や着物をかけてあげる方が多いようです。また故人の愛用品や愛読書、孫の書いた絵、手紙なども棺に納めることもあります。
通夜
- 弔問客受付
- 弔問客の焼香・応対
- 僧侶へのあいさつ
- 読経
- 僧侶の接待
- 通夜挨拶(省略の場合あり)
一般的な通夜の進行
- ①受付開始
- ②一同着席
- ③僧侶入道(入場)
- ④開式の辞
- ⑤読経
- ⑥焼香 (寺院により有無が異なる)
- ⑦僧侶退堂
- ⑧喪主挨拶(しないことが多い)
- ⑨閉式の辞
※ 地域・寺院によって順序・呼称名が違う場合もあります。 ※
通夜は、「灯明」「線香」を一晩中つけておくのが習わしですが、最近では「うずまき線香(12時間燃焼)」「24時間ローソク」「電気ローソク」等を使用して就寝する方も多くなってきました。
葬儀の準備
- 弔辞の依頼
- 葬儀の席次、焼香順の確認
- 弔電の整理、葬儀社(世話役)に渡す
- 葬儀社と進行打ち合わせ
- 火葬場へ行く人の確認
- 火葬場へ行く車の手配
- 寺参りへ行く人の確認
- 寺参りの霊柩車・マイクロバス手配
- 遺骨迎え・精進落としの準備
会葬礼状や返礼品は、会葬者の予想人数より多めに注文します。葬儀終了後に残った返礼品は返品できるので安心です。
葬儀・告別式・出棺
- 葬儀・告別式・喪主挨拶
- 最後の対面
一般的な葬儀・告別式の進行
- ①受付開始
- ②一同着席
- ③僧侶入道(入場)
- ④開式の辞
- ⑤読経・引導
- ⑥弔辞拝受・弔電ご紹介
- ⑦焼香
- ⑧喪主挨拶
- ⑨僧侶退堂
- ⑩閉式の辞
※地域・寺院によって順序・呼称名が違います。※
火葬
- 死体火葬許可証を火葬場係員に渡す
- 納めの式
- 火葬
- 骨揚げ(収骨・拾骨・骨拾い)
- 埋葬許可証の受け取り
- (火葬中または火葬後に寺参りする場合)お寺様へのお礼(※1)
遺骨を複数の墓や宗派の本山に納めたい(分骨・散骨)場合、葬儀社に依頼して分骨用の骨壷と錦袋や散骨用の容器を準備してもらいます。
(※1)火葬中または火葬後に、寺参りに行きます。この時に、菩提寺に対する「戒名料やお礼(住職お布施)」や僧侶に対するお礼「お布施」をお渡し致します。
遺骨迎え・還骨法要
- 遺骨、位牌、遺影を「後飾り」に安置し、還骨法要を行う
(南島原市ありま斎場近辺では「三日法事」と言い、葬儀当日または翌日に行うことが多い) - 喪主または遺族代表の挨拶、世話役への謝辞
※ 地域によっては法要後に「精進落とし」をする場合があります。 ※
遺骨を迎えると、「還骨法要(還骨勤行)」の儀式を行います。四十九日の忌明けまで遺骨・位牌・遺影を安置する祭壇を「後飾り」または「中陰壇」と呼びます。
喪主・親族・縁者が集まって僧侶に読経していただき、その後斎食をふるまい、終了します。精進落としではなく、法要として執り行われます。
併せて初七日(しょなぬか)法要を行う場合もあります。